古今伝授の間 こきんでんじゅのま
古今伝授の間 Kokin denju no ma suizenji 水前寺公園 水前寺成趣園
古今伝授、それは、みだりに口外してはならない秘説の授受・・・・

「古今伝授の間(こきんでんじゅのま)」の歴史

園内にある茅葺屋根の建物が古今伝授の間です。もともとは、天正18年(1590)~慶長5年(1600)の間に、京都御苑の八条宮邸内に建てられた八条宮家(後に桂宮家)初代・智仁親王(後陽成天皇の弟君)の御学問所で、書院を兼ねた茶室でした。

 

戦国時代の慶長5年(1600)に、この部屋で細川家初代の細川幽斎公が智仁親王に「古今和歌集の解説の奥儀」を伝授しました。



ーーー「古今伝授の間」の動きーーー

慶長5年(1600年)

細川幽斎が八条宮智仁(としひと)親王に古今伝授をする

寛永3年(1626年)

から

万治4年(1661)

の間

京都御苑の八条宮邸内

(2代智忠親王の時、政情不安のこの場所から古今伝授の間を永く保存したいと考える)

長岡京市の長岡天満宮境内へ移築(ここは当時八条宮家の領地であったので)

当時は「開田御茶屋」として知られていた

明治4年(1871)

桂宮家からゆかりのある細川家へ下賜

大正元年(1912) 水前寺の御茶屋「酔月亭」跡に移築
昭和39年(1964) 熊本県指定重要文化財に指定
平成22年(2010) 水前寺移築から99年ぶりに全面修復

古今伝授とは、日本の古い伝統文化の本質を一子相伝によって伝える秘儀で、古今集の講釈と「三木三鳥」などの秘説を口伝・切紙・抄物で授けます。

 

2010年に開かれた「細川幽斎展 ~天皇が助けたかった“才能”」では、実際に使われたノートなども展示されていました。今でいう大学ノートのような感じで走り書きされた紙面からは、当時の伝授の様子が伺えます。

 

古今伝授の間の内部杉戸には狩野永徳の「雲竜」の墨江、襖には海北友松の「竹林七賢人」が描かれています。

また、宮内庁が管理する京都の「桂離宮」は、一部が古今伝授の間の様式を参考にしたと言われています。桂離宮は、幽斎公から古今伝授を受けた初代智仁親王と、二代智忠親王によって造られたもので、日本庭園として最高の名園と呼ばれています。

古今伝授の再現   奥「智仁親王」、手前「幽斎公」
古今伝授の再現   奥「智仁親王」、手前「幽斎公」


今は何ができる?

成趣園の景色は、古今伝授の間からが最も美しく観られると言われています。お庭からは観覧自由で、お抹茶やお団子を注文することで、お庭だけでなく中のお座敷でも頂くことが出来ます。現在はお菓子の香梅が運営、管理されています。

 

また、出水神社の神事である献茶式の場としてはもちろんのこと、将棋会場など様々な用途で活用されています。

古今伝授の間 水前寺成趣園 水前寺公園 ハッピー陣太鼓くまモン

2014年5月18日、実写映画「進撃の巨人」の熊本ロケを終えた樋口真嗣監督とプロデューサーが小野副知事を表敬訪問した際の懇談会場が、古今伝授の間でした。

元:東宝映画「進撃の巨人」熊本ロケ終了!!(熊本ロケーションナビ)