詳しい歴史のお話はこちら『なごみ紀行 No.086「古今伝授の間」 』『お菓子の香梅「古今伝授の間」』
「古今伝授の間(こきんでんじゅのま)」の歴史
園内にある茅葺屋根の建物が古今伝授の間です。もともとは、天正18年(1590)~慶長5年(1600)の間に、京都御苑の八条宮邸内に建てられた八条宮家(後に桂宮家)初代・智仁親王(後陽成天皇の弟君)の御学問所で、書院を兼ねた茶室でした。
戦国時代の慶長5年(1600)に、この部屋で細川家初代の細川幽斎公が智仁親王に「古今和歌集の解説の奥儀」を伝授しました。
ーーー「古今伝授の間」の動きーーー
慶長5年(1600年) |
細川幽斎が八条宮智仁(としひと)親王に古今伝授をする |
寛永3年(1626年) から 万治4年(1661) の間 |
京都御苑の八条宮邸内 (2代智忠親王の時、政情不安のこの場所から古今伝授の間を永く保存したいと考える) |
長岡京市の長岡天満宮境内へ移築(ここは当時八条宮家の領地であったので) 当時は「開田御茶屋」として知られていた |
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明治4年(1871) |
桂宮家からゆかりのある細川家へ下賜 |
大正元年(1912) | 水前寺の御茶屋「酔月亭」跡に移築 |
昭和39年(1964) | 熊本県指定重要文化財に指定 |
平成22年(2010) | 水前寺移築から99年ぶりに全面修復 |
▼古今伝授の流れはこちら
古今伝授とは、日本の古い伝統文化の本質を一子相伝によって伝える秘儀で、古今集の講釈と「三木三鳥」などの秘説を口伝・切紙・抄物で授けます。
2010年に開かれた「細川幽斎展 ~天皇が助けたかった“才能”」では、実際に使われたノートなども展示されていました。今でいう大学ノートのような感じで走り書きされた紙面からは、当時の伝授の様子が伺えます。
古今伝授の間の内部杉戸には狩野永徳の「雲竜」の墨江、襖には海北友松の「竹林七賢人」が描かれています。
また、宮内庁が管理する京都の「桂離宮」は、一部が古今伝授の間の様式を参考にしたと言われています。桂離宮は、幽斎公から古今伝授を受けた初代智仁親王と、二代智忠親王によって造られたもので、日本庭園として最高の名園と呼ばれています。
今は何ができる?
成趣園の景色は、古今伝授の間からが最も美しく観られると言われています。お庭からは観覧自由で、お抹茶やお団子を注文することで、お庭だけでなく中のお座敷でも頂くことが出来ます。現在はお菓子の香梅が運営、管理されています。
また、出水神社の神事である献茶式の場としてはもちろんのこと、将棋会場など様々な用途で活用されています。
2014年5月18日、実写映画「進撃の巨人」の熊本ロケを終えた樋口真嗣監督とプロデューサーが小野副知事を表敬訪問した際の懇談会場が、古今伝授の間でした。 元:東宝映画「進撃の巨人」熊本ロケ終了!!(熊本ロケーションナビ) |